不動産投資をはじめるには(前編)

30歳となり人生の転機を迎えている元・教え子たち
彼らの将来のために不動産投資が役に立つかもしれない

 さて、ここからは実践的な不動産投資講座に入っていきます。
 その前にどうして私がこのような講座をみなさんの前でやろうと思ったのか、その理由をお話したいと思います。みなさんの中には「もうかったのなら自分の胸にだけ秘めておけばいいじゃないか。それを教えようとするなんて……怪しいな」と思う方もたくさんいることでしょう。
 私がどうして自分の経験をみなさんにお伝えしたくなったのか?――それは私が以前、教師をやっていたということに関係しています。
 最近、かつての教え子たちから相談を持ちかけられることが増えました。私が教師をやっていた期間は3年半でしたが、その頃の教え子たちは今30歳前後。ちょうど転機に差し掛かっているようです。
 転職をしようか、結婚しようか。子どもが生まれそうだけどどうしたらいいか、そうなるとマイホームを買った方がいいのか……彼らはいろんな悩みを私に相談してきます。
 30歳前後というのは、自分の将来について改めて考える時期かもしれません。社会人としてのガムシャラな時期を過ぎ、冷静に、真剣に、未来について模索しはじめる時期。思えば私自身も30歳前後の時期に、大起建設でいろんな不動産屋や大家と出会って、今につながる不動産業を志したという経緯があります。
 将来について悩んでいる彼らと話すと、彼らの置かれた状況が見えてきます。親はどれくらい資産を持っていて、どれくらい相続できそうなのか。だったら今は賃貸に住んで、家を買うのは待った方いいのではないか――とか。
 実家が県北にあり長男という生徒には、市街地で35年ローンの物件を買うという判断は適切なのか、考え直した方がいいと諭しました。
 東京で焼鳥屋を開店させた生徒は、商売が不安定なので現在住んでいる家を人に貸して家賃収入を得たいと言ってきました。彼には逆に店舗用の物件を購入し、いま払っている店舗の家賃をなくすという選択肢はないかと提案してみました。
 あと、マイホームを買った生徒には、家の前の余った土地に自動販売機を置くだけでも副収入になるというアドバイスをしました。
 彼らと話していて思ったのは、もし将来に不安があるのなら「自分は何を持っているのだろう?」ということを一度整理してみた方がいいということです。
 自分のこと、家族のこと、両親はどれくらい財産を持っていて、それを自分はどれくらい相続できそうなのか。そして将来はどこで、誰と、どのような暮らしをするつもりなのか。実家に戻って両親の世話をするつもりなのか。だったら家も二世帯住宅にした方がいいのではないか……。
 いろんな状況をわかった上で、もしも経済的に攻めていきたいという気持ちがあるのなら、私の持っている知識の中から「こういうやり方もあるよ」「ああいうやり方もあるよ」ということを提案をしてあげたいと思ったのです。数ある選択肢のひとつとして不動産投資というやり方があることを伝えたいと思ったのです。
 それは自営業でもサラリーマンでも同じです。少しでも「この先どうなるんだろう?」という不安があるならば、将来を支える手助けができるかもしれないと思えたのです。

不動産投資とは余裕を作るための戦い
余裕のある状態に突き抜けるまでの過程がしんどい

 ここで私が生徒たちに伝えたいのは、“余裕”というものの重要さです。
 人生の中でたとえピンチに陥ったとしても、余裕がある人と余裕がない人ではその対応の仕方に大きな差が出ます。この差がいかに重要かは、私がこれまで不動産投資をしてきた中で痛切に感じていました。
 不動産投資の世界では、とりわけ余裕が大事です。時間的にも金銭的にもゆとりがないと、すぐに物件は買い叩かれ、値を下げることになります。
 私はこれまでかなりのスピードで物件を買ってきましたが、それゆえ税金を支払うタイミングもすぐに巡ってきました。支払の通知が来たときは「ちゃんと払い切れるかな?」と焦りますし、そうすると「いま持っている建売、早く売れないかな」と気持ちが落ち着かなくなります。
 余裕があれば気持ちが切迫することはありません。ゆとりを持って税金を払って、ゆとりを持って物件が売れるのを待てばいいだけのことです。
 正直なところ、私は不動産投資をはじめる前までは自分がここまで家賃収入に執着するとは思っていませんでした。それにここまで手を広げないと精神的に安定できないとは思っていませんでした。
 自分で言うのもなんですが、私はもともと金銭欲のない人間です。物欲もそれほどないし、お金は普通に生活できる程度にあればいいと思っていました。
 しかし、銀行から融資を受けて物件を買うと、それを安定させるためにもうひとつ別の物件がほしくなるのです。2つ目を買うとしばらくは安定しますが、今度はその2つを安定させるためにさらに大きな物件がほしくなります。
 つまり、人はいつでも絶対的な安定を求めてしまうのです。
 借金とリスクを減らすために次々と物件を購入していく無限ループを止めるには、「これでもう大丈夫」と実感できるまで余裕を持つしかありません。
 例えば銀行への返済が終了して、入ってくる家賃がまるまる自分の収入になるという状態になったら、不安はひとまず消えることでしょう。
 言い方を変えれば、不動産投資は余裕を作るための戦いでもあるのです。そしてその余裕のある状態に突き抜けるまでの過程がしんどいのです。

ちゃんとした商売をやるためには、人は余裕が必要
私は不動産屋としてのプライドを貫きたいだけなのです

 そんなしんどい想いをしてまで、私が余裕を必要とするのはなぜでしょう?
 それは私の仕事に対する哲学とも関係してきます。
 なるべくなら、私はやりたくない仕事はやりたくないと思っています。具体的に言えば、私は営業をしていて常々「買わなくていい人には、買わなくていいと言いたい」と思ってきました。なるべく無理強いはしたくない。「これ、どうですか? いいと思うのなら買ってください」というスタンスを崩したくないのです。
 余裕は仕事に直結します。例えばノルマについて考えてみてください。ノルマに追われてギリギリの状況であれば、仕事をしていてもキレイゴトなんて言ってられなくなりますし、買わなくてもいい人にまで買ってもらわなければならなくなります。強引で、あこぎなやり方に手を染める必要も出てくるでしょう。私はなるべく、そういうことはしたくないのです。
 私はとにかく“ちゃんとした商売”をやりたいと思っています。いいことも悪いことも伝えた上で商品を売りたいし、嘘もつきたくありません。ヘタな値引きもしたくありません。
 ただ、それを実行するためには、こちらの収入を確保しておくことが必要になります。こちらに余裕があれば、お客さんに「今はまだ時期じゃないので買わなくていいですよ。ふさわしい時期が来たら声をかけますから」と誠実にお伝えすることができます。
 つまり私は、長く人と付き合いたいのです。長く人と付き合うには、ちゃんとした商売をすることが欠かせません。
 私は今“ひとり不動産屋”を営んでいて、一匹狼のように見られることも多いですが、入居者さんや建築会社、税理士、不動産屋……といったビジネスパートナーとはみんな長い付き合いです。これは勘違いされやすいところですが、ひとりでやっていくためには実は仲間が必要です。目先の利益のために結びついたのではない、誠実な人間関係を築き上げておかないと、この厳しい世の中でひとりで生きていくことなんてできません。
 私は不動産のプロとして、値段の部分だけで近づいてくる人は断りたいと思っています。お金だけでやっているんじゃないことを証明したいと思っています。
 それは客を選ぶとか、上からモノを言うとかそういうことではありません。不動産屋としてのプライドを貫くために、ちゃんとした人と、ちゃんとお話をしながら商売を進めていきたいというだけのことです。

不動産投資初心者は何をどこからはじめればいいのか?
まずは単刀直入に「不動産投資 広島」と検索してみよう

 さて、思わず前口上が長くなってしまいました。
 改めて、私がどうしてみなさんに不動産投資のことをお話しようと思ったかについて、話題を戻しましょう。
 先日、私は海外の投資をやっておられる方とお話する機会がありました。その方は投資助言業/投資顧問業という肩書で10年以上活動されている人で、私はその方の話を聞いているうちに「海外ってなんか怖いな……」と思っていた海外投資のイメージが覆されて「これなら自分にもできるかもしれない」と思うようになりました。
 簡単に言えば、私も似たようなことができればいいなと思ったのです。
 人は無知なものに対しては、ついマイナスの想像力を膨らませがちです。例えば不動産投資にしても、その正体を知らなければ「ヤクザみたいな怖い人が来てとんでもないことに巻き込まれるんじゃないか?」「甘い言葉にダマされて身ぐるみはがされるんじゃないか?」なんてイメージを抱きがちです。
 でも、勇気を持って全体像を眺めてみれば、そんなことはないとすぐにわかります。きちんと物事を知って臨めば、怖くもなんともないし、「これなら自分もできるかも」と思えることに気付くはずです。
 ここからの話は、そんなふうに不動産投資にまつわる曖昧としたイメージをはぎ取り、みなさんの頭の中に明瞭なビジョンを描けるように進めていきます。なるべく具体的に、実践的な内容になるよう心掛けていきますので、ひとつひとつをよくかみしめて読んでください。

 では、まず不動産投資初心者は何を、どこから、どのようにはじめればいいのでしょう?
 これまで私の話を聞いてくださった方ならおわかりのように、不動産屋と一口に言っても世間には数多くの種類があります。賃貸専用の不動産屋、分譲専門の不動産屋、管理を専門にしている不動産屋、土地のみを扱っている不動産屋、自分でも物件を持っている不動産屋……果たして、どんな不動産屋に話を聞きにいけばいいのか?
 一番簡単なのは、パソコンの検索ボックスに向かって単刀直入に、例えば「不動産投資 広島」と入力してみることです。みなさんが暮らしている街で不動産投資に強い不動産屋はどこなのか、検索して出てくるところがまずは一番有名なところです。
 その会社のホームページを見ると、多くの投資用物件が掲載されていることでしょう。
 そこに掲載されている物件ひとつひとつを眺めるところから、投資のイメージを膨らませていきましょう。

「現在入居者あり」のワンルームは手頃かもしれないが
どんな部屋の状態か内見できないという危険性を忘れずに

 初心者にお勧めなのは「まずは自分の知っている地域の物件に的を絞ること」です。
 私も一番最初に買った物件は、自分が住んでいる地域の隣の団地のものでした。やはり地元だったり、その地域のことをよく知っているというのはアドバンテージです。「ここなら車を持っていれば交通の便も悪くない」とか「坂を下りたらスーパーがあるので買い物には困らない」といった生活者としての実情が具体的にわかりますし、家賃相場も想像しやすいことでしょう。
 まずはインターネットで自分の知っている地域を限定して、物件を絞り込んでみましょう。そこから改めてその地域を自分の足で歩いてみましょう。
 すぐに不動産屋に顔を出すと、その店が持つ物件のみに縛られる恐れがあるので、私は避けた方がいいと思います。
 それよりも自分の足で地域を歩き回って、そこにどんな物件があるか観察してみましょう。そう、私が大起建設でやってきた市場調査と同じことをすればいいのです。
 売りに出ている物件はインターネットを見れば、だいたい場所など確定できるはずです。そこを実際見にいって、「ここだったらいくらで貸せるかな?」とシミュレーションしてみましょう。自分の足で歩いて、自分の頭で考えるのです。

 では地域を絞った後は、どんなところに着目すればいいでしょう? チェックポイントは、どんな物件を購入しようとしているかによって変わってきます。
 例えば学生や社会人相手のワンルーム――こうした物件は数も多く値段も比較的手頃です。特に「現在入居者あり」の場合は、最初から家賃収入が保証されていることもあって初心者には魅力的に映るかもしれません。
 しかし、私に言わせれば、これは相当慎重になった方がいい案件です。なぜならば、考えてみてください。「人が現在住んでいる物件を買う」ということは、その物件を内見することができないのです。人が住んでいるものを、ゆっくり精査することはできません。その物件がどれくらい傷んでいるか、購入前に確かめることができないのです。それは非常に危険な賭けだと私には思えます。
 あと、ワンルームの場合は、どんな客層をターゲットにしているのか明確にすることが大切です。住人として社会人を想定している場合、社会人ならワンルームではなくある程度広い1LDKくらいの物件を求めるものです。だったらワンルームではなく古い2DKを購入して、それを改装して1LDKとして販売する方がイメージする客層に近くなると思われます。
 大事なことは、どんな物件でも自分に引き寄せて考えてみることです。周囲の相場を見た上で、自分だったらここにいくら払えるか? この条件でここに住みたいと思うのか?……
 みなさんも引っ越しを考えたとき、SUUMOなどのサイトで条件を入力して絞り込みをしますよね。もちろんすべての条件にバッチリ当てはまる物件などないし、そんな物件は値段も高いに決まっています。
 ここでは物件の強みと弱みを自分なりに分析して、ターゲットとの相性を考えていくことが大事です。「駅から遠くても車を持っている人を対象にすれば大丈夫」とか「女性の住人を考えているので近所にスーパーがあることは必須」など、より具体的にイメージすることができれば、的外れなミスマッチはなくなっていくでしょう。

大事なのは徹底的にシミュレーションすること
それも現時点だけではなく、将来も含めた上で考えること

 では、初心者にお勧めの物件とはどのようなものでしょう?
 先程「人がすでに入っているワンルーム」は不動産投資初心者が最初に勧められる物件と言いましたが、まずはそういう誘いに引っ掛からないよう、しっかり勉強することが大事です。
 実際「不動産投資に興味のあるサラリーマンはワンルーム物件からはじめましょう」というセミナーは数多くあります。そしてワンルームの戸数が多い一棟ものは、利用率が高いことも確かです。
 ただ、人が入っているワンルーム物件にすぐに食いつくのは、ある意味不動産投資において初心者マークを貼っているようなものです。「ワンルーム投資をはじめませんか?」というセミナーは、ワンルーム物件を持っている大家が自分の持ち物を売りさばくための巣窟となっている場合もあります。カモがネギしょって……にならないよう十分注意してください。
 不動産について勉強すると言いましたが、それを詳しく言うと、物件のメリットとデメリット、その両方を学ぶということになります。
 ワンルームのメリットとしては、値段が手頃で物件の数が多いということが挙げられますが、ではデメリットとして何があるかというと、それは回転が速いということです。
 ワンルームとはつまり、一人暮らしということです。学生なら4年で確実に出ていきますし、社会人にしても長居をするケースはそう多くありません。
 回転が速いということは、つまり部屋が空室になるリスクが多いということです。不動産投資を考えているならば、まずは「長く借りてくれること」を目指す方が賢明といえるでしょう。
 あとは新築物件のメリットとデメリットというものもあります。
 新築のメリットはもちろん人気があるということです。新築の場合は、高い家賃設定でもすぐに入居者が決まるという利点があります。
 一方、新築のデメリットは、経年劣化が激しいということです。新築物件を購入して、新築時そのままの家賃がこれからも入ってくると計算していると、痛い目に遭います。物件が古くなるにつれて、取れる家賃も減ってくるということを忘れてはなりません。
 私が大起建設に勤めていた頃も、新築マンションは5年ごとに家賃が下がっていくと想定した上で、収支のシミュレーションを作っていました。
 逆に中古物件はある程度メンテナンスをしていれば、それほど家賃が下がることはありません。もちろんその分修繕費がかかることは計算しておかなければなりませんが。
 人気はあるけど取れる家賃が下がっていく築浅物件がいいか、すでに評価は落ち着いているけど修繕費のかかる中古物件がいいか――選ぶのはその人の好みによります。
 いずれにしても、大事なのは徹底的にシミュレーションすること。それも現時点だけじゃなく、5年後、10年後、20年後……も見据えた上でのシミュレーションを行うことは必須といえます。

物件を買う際はつい“利回り”を重視しがちだが、
本当に大事なのは“手残り”という実の部分ではないか?

 次に考えたいのは「利回り」の問題です。
 以前もお話しましたが「利回り=年間の家賃収入÷物件購入額」です。つまり、この数字が大きいほど、お金の回収率が高いということになります。
 利回りにはいろんな種類がありますが、一般的には10%以上が優良物件といわれています。利回り10%とすると、単純に計算すれば10年で投資額を回収できることになります。1,000万円の物件を購入して年間家賃収入が100万円だと返済は10年――これはあくまで現金払いの場合で、ローン返済の場合は変わってきますが。
 初心者は投資の目安としてこの利回りを重視しがちです。しかし、私は利回りよりも「手残り」に注目することをお勧めします。
 手残りというのは、最終的にいくら自分の手元に残るか、その金額のことです。私はこれまで、利回りより手残りから投資を考えてきました。
 手残りとは、家賃収入から、月々の銀行への返済、固定資産税÷12、共用部にかかる光熱費やメンテナンス費、管理料、将来発生するかもしれない修繕に対する積み立て金……などの経費を引いたものになります。それらを払った上で、最終的にいくら残るのかというのが私には重要に思えます。
 私は「たとえ手残りが5,000円だとしても、しばらくは会社の給料があるから困ることはない。銀行への支払いを終えた後に大きく入ってくるからそれでいい」――という考え方でした。また、たとえ利回りは小さくても物件購入額が大きければ入ってくる額も大きいので、それでいいと考えていました。
 つまり、あまり利回りという数字に踊らされても仕方がないという考え方です。利回りよりも、手残りという“実”に着目した方が有効ではないか、ということです。

管理を不動産屋に依頼すると家賃の5%を取られる
1部屋や1棟であれば自分で物件の管理をすることも可能

 ちなみに、戸建てとマンションの場合、月々支払うお金にも違いがあります。
 マンションには管理人さんがいて、管理人室や共用部分がありますよね? そこにかかる管理費や積立金は大家が払わなければならないことになっています。戸建てにはそれが発生しません。
 戸建て、マンションに関係なく発生する管理料というのは、入退去の入れ替えや設備の修繕、家賃の取り立てなど、物件の運営全般に関わる諸経費のことです。
 物件の管理を不動産屋に委託する場合、相場は家賃の5%ということになっています。それがもったいないと思われるのであれば、私は自分で物件を管理することをおすすめします。1部屋や1棟程度であれば、物件の管理というのは案外個人でできてしまうものです。
 例えば、入居の募集をしたいときは、大手の不動産屋に物件情報をファクスで送れば、それでオッケーです。あと、設備の修繕に関しては、電気や水回りなどに詳しい職人が知り合いにひとりでもいるととても役立ちます。
 実際、私自身も最初に購入した安佐南区相田の一戸建ては自分で管理していましたし、現在でも数件は自分で管理しています。そういう物件は何か問題があれば私に直接連絡が入るようになっています。
 ちなみに、管理がラクなのは住人がファミリーの場合です。ワンルームの一人暮らしの場合、問題があれば深夜でも呼び出されることがありますが、特に一戸建てに住むファミリー世帯は本当にどうしようもないときしか連絡はありません。
 私は、今26部屋ほど自分で管理していますが、それでも海外などに遊びに行ける時間的余裕はあります。しばらく遠出する際は「緊急時のメンテナンスの連絡先」として、いつもお願いしている工事の人の番号を伝えておけば、何の問題もありません。
 管理というのは、実は個人でもできてしまうということを、心の隅に留めておいてください。

不動産投資は物件を購入したらそれで終わりではない
住人が長く住み続けられるようアフターケアも大事

 もし、管理まで自分でやることを考えているのなら、個人的にはひとつアドバイスしたいことがあります。
 管理をやるというのは、つまり住人と直接接点を持つということです。ここではいかに気持ちよく住人に住んでもらうかという視点が欠かせません。
 例えば、水回りだったり壁紙だったり、家の中のどこかが壊れた場合、古い大家はなかなかすぐに直してくれないケースが多いようです。「あなたが壊したんだから、あなたが直してください」といった調子で、上からモノを言ってくることも多々あります。
 それは仕方ないところもあるのです。昔はアパートなどの数が少なく、大家は借主に対して「物件を貸してやる」「オレの建物に住まわせてやる」という意識が強かったのです。
 しかし、今はその調子ではいけません。大家が強気な態度をとると、借主も「じゃあこっちも権利を主張させてもらおう」となって、面倒なことが起こる可能性が高まります。
 私の場合は、もしも備品が壊れた場合、よっぽどのことがない限りこちらで直すようにしています。こちらが率先して修理を請け負い、さらに「何かあったらいつでも連絡してくださいね」と誠意を見せれば、逆に住人は何も言ってこなくなるものです。
 それは、特にペット可の物件で顕著です。住人はおのおのが「自分は周りに迷惑をかけている」という意識でおられるため、みなさん本当に低姿勢で、部屋も丁寧に使用してくれます。大家の私とも仲良くなって、何か問題が起こったときも「本当に申し訳ないんですけど……」という言い方でこられるほどです。
 住人との関係性については、私は毎年住人にお米を送っています。それだけの気遣いを見せることでクレームはずいぶん減少します。それを考えればお米の値段なんて安いものです。
 不動産投資は物件を購入したらそれで終わり、あとは毎月お金が振り込まれるだけ――というわけではありません。
 自分の物件を持った後は、住人の方にいかに満足してそこに住み続けてもらえるか、丁寧なアフターケアを継続することも必要なのです。

オーナーについてもっと詳しく

0歳から26歳 26歳から29歳

不動産投資経験談はこちら

お問い合わせはこちら